美しい日本の言葉を鑑賞します 百人一首の世界

今に残る日本の美しい言葉を百人一首の詩から鑑賞しましょう。

小倉百人一首 歌五十五番 ”滝の音は絶えて久しくなりぬれど”

読みは たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ と読みます。 // 歌の意は 滝の水の音が聞こえなくなって長い年月が経てしまったが、その評判は世の中を流れて、今でも聞こえているようだ。 言葉の意は 作者は大納言公任 (…

小倉百人一首 歌五十四番 ”忘れじのゆく末まではかたければ”

読みは わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな と読みます。 // 歌の意は 忘れはしないとおっしゃるあなたの言葉は、この先いつまでも期待できるものとは思えませんので、今日を限りの命としたいと思います。 言葉の意は ・…

小倉百人一首 歌五十三番 ”嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は”

読みは なげきつつ ひとりねるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる と読みます。 // 歌の意は あなたが来ないのを嘆きながら、一人で寝る夜が明けるまでの間がどんなにか長いかをあなたは知っていますか。知らないでしょう。 言葉の意は ・明くる…

小倉百人一首 歌五十二番 ”明けぬれば暮るるものとはしりながら”

読みは あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな と読みます。 // 歌の意は 夜が明けるとまた日が暮れ、再びあなたと逢えるとは知っていても、やはり別れの夜明けは恨めしいことだ。 言葉の意は ・明けぬれば :明けてしまえば …

小倉百人一首 歌五十一番 ”かくとだにえやは伊吹のさしも草”

読みは かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを と読みます。 // 歌の意は こんなに恋い慕っていることをあなたは知らないでしょう。伊吹山のさしも草のように燃え上がる私の思いを。 言葉の意は ・かくとだに :このように ・…

小倉百人一首 歌五十番 ”君がため惜しからざりし命さへ”

読みは きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな と読みます。 // 歌の意は あなたのためには、惜しくはないと思っていた命だけれど、あなたに逢った今では長生きをしたいと思うようになってしまった。 言葉の意は ・長くもがな…

小倉百人一首 歌四十九番 ”御垣守衛士のたく火の夜は燃え”

読みは みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ と読みます。 // 歌の意は 宮中の門を守る衛士の焚く火が、夜は燃え、昼に消えるように、私の恋心も夜は燃え、昼は消えそうになるほど思い悩むのだ。 言葉の意は ・御垣守(み…

小倉百人一首 歌四十八番 ”風をいたみ岩打つ波のおのれのみ”

読みは かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おもうころかな と読みます。 // 歌の意は 激しい風に、岩にあたって砕け散る波のように、私の心も砕けるくらいに片思い悩むこの頃なのだ。 言葉の意は ・風をいたみ :激しい風の意 (いたみ…

小倉百人一首 歌四十七番 ”八重むぐら茂れる宿の寂しきに”

読みは やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり と読みます。 // 歌の意は 幾重にも蔓草が生い茂るこの家は寂しいので、誰も訪ねては来ないけれども、秋だけはいつものようにやってくるのだ。 言葉の意は ・むぐら:蔓になって…

小倉百人一首 歌四十六番 ”由良の門を渡る船人かぢを絶え”

読みは ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな と読みます。 // 歌の意は 由良の瀬を渡って行く舟人が、櫂をなくして行く先もわからずに漂うように、この先の私の恋の道は行く末がわからないことだ。 言葉の意は ・由良の門を…

小倉百人一首 歌四十五番 ”あはれともいふべき人は思ほえで”

読みは あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたずらに なりぬべきかな と読みます。 // 歌の意は 私のことをかわいそうだと悲しんでくれそうな人は思い浮かばず、きっと私は、むなしく死んでいくのだろうなあ。 言葉の意は ・いたづらに :空しく 作…

小倉百人一首 歌四十四番 ”逢ふことの絶えてしなくはなかなかに”

読みは あうことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし と読みます。 // 歌の意は 逢うことがないのなら、あの人をも私自身をも恨むことはしないだろうに。 言葉の意は ・絶えてしなくば:絶対しない ・人をも身をも :ひともわたしも…

小倉百人一首 歌四十三番 ”逢ひ見てののちの心にくらぶれば”

読みは あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり と読みます。 // 歌の意は あなたに逢いたいと思っていたが、逢ってみるとかえって苦しく、切ないこの気持ちに比べると、逢う前の悩みは何も思っていないようだった。 言葉の意…

小倉百人一首 歌四十二番 ”契りきなかたみに袖をしぼりつつ”

読みは ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すえのまつやま なみこさじとは と読みます。 // 歌の意は お互いの涙で濡れた袖を絞りながら誓い合いましたね。 末の松山を波が越すことがないように、私たち二人の愛も永遠であるようにと。 言葉の意は ・契…

小倉百人一首 歌四十一番 ”恋すてふわが名はまだき立ちにけり”

読みは こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか と読みます。 // 歌の意は 恋をしているという私の名が、早くも世間に広まってしまった。 誰にも知られないよう、ひそかに思いはじめていたのに。 言葉の意は ・恋すてふ :恋…

小倉百人一首 歌四十番 ”忍ぶれど色に出でにけりわが恋は”

読みは しのぶれど いろにいでにけり わがこいは ものやおもうと ひとのとうまで と読みます。 // 歌の意は 私の恋心は、人に知られまいと耐え忍んできたが、こらえきれず顔に出てしまったのか。 何か物思いがあるのかと人が尋ねてくるほどに。 言葉の意は …

小倉百人一首 歌三十九番 ”浅茅生の小野の篠原忍ぶれど”

読みは あさぢうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき と読みます。 // 歌の意は 浅茅が生えている小野の篠原のように、この心を忍んでも耐えきれぬほどに、あなたのことが恋しくてたまらない。 言葉の意は ・浅茅生の :背の低い茅…

小倉百人一首 歌三十八番 ”忘らるる身をば想はず誓ひてし”

読みは わすらるる みをばおもわず ちかいてし ひとのいのちの おしくもあるかな と読みます。 // 歌の意は あなたに忘れられる私の身がどうなろうともかまわないが、神に誓った愛を破ったことで神罰が下り、あなたの命が失われることが悔しいのです。 言葉…

小倉百人一首 歌三十七番 ”白露に風の吹きしく秋の野は”

読みは しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける と読みます。 // 歌の意は 白露に風が吹きすさぶ秋の野は、まるで糸で貫き止まっていない玉を野に散りばめているようだ。 言葉の意は ・吹きしく :吹きすさぶの意味 作者は文屋…

小倉百人一首 歌三十六番 ”夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを”

読みは なつのよは まだよいながら あけぬるを くものいずこに つきやどるらん と読みます。 // 歌の意は 夏の夜は、まだ宵の口だと思っているうちに夜が明けてしまうが、月は雲のどの辺りにとどまっているのだろうか。 言葉の意は ・明けぬる :明けてしま…

小倉百人一首 歌三十五番 ”人はいさ心も知らずふるさとは”

読みは ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににおいける と読みます。 // 歌の意は あなたの心が変わっているかどうか知りませんが、昔なじみのこの里の梅の花は、昔と同じ香りを漂わせています。 言葉の意は ・人はいさ :人はどうで…

小倉百人一首 歌三十四番 ”誰をかも知る人にせむ高砂の”

読みは たれをかも しるひとにせん たかさごの まつもむかしの ともならなくに と読みます。 // 歌の意は 年老いた私は、誰を友にしたらよいのだろうか。 長生きで知られている高砂の松だが昔からの友ではないのに。 言葉の意は ・誰をかも :誰をを強調して…

小倉百人一首 歌三十三番 ”ひさかたの光のどけき春の日に”

読みは ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずこころなく はなのちるらん と読みます。 // 歌の意は 日の光がのどかな春の日に、どうして桜の花は落ち着いた気持ちもなく散ってしまうのだろうか。 言葉の意は ・久方の :光にかかる枕詞 ・しづ心 :落…

小倉百人一首 歌三十二番 ”山川に風のかけたるしがらみは”

読みは やまがわに かぜのかけたる しがらみは ながれもあえぬ もみじなりけり と読みます。 // 歌の意は 山間を流れる川に風が作った堰は、流れることができなく溜まっている紅葉の葉だったのだなあ。 言葉の意は ・しがらみ :川の流れをせき止めるために…

小倉百人一首 歌三十一番 ”朝ぼらけ有明の月と見るまでに”

読みは あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき と読みます。 // 歌の意は ほのかに夜が明けるころ、明け方の月が照らしているのかと思うほどに、吉野の里に白く降り積もっている雪であることよ。 言葉の意は ・朝ぼらけ :…

小倉百人一首 歌三十番 ”有明のつれなく見えし別れより”

読みは ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし と読みます。 // 歌の意は 明け方の月が、そっけなく空に残っていたように、あなたがつれなく見えたあの別れから、夜明けほど憂鬱なものはありません。 言葉の意は ・有明の月:…

小倉百人一首 歌二十九番 ”心あてに折らばや折らむ初霜の”

読みは こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな と読みます。 // 歌の意は 当てずっぽうに折るのなら折ってみようか。 初霜が一面に降りたために真っ白になって、見分けがつかなくなってしまっている白菊の花を。 言葉の意は…

小倉百人一首 歌二十八番 ”山里は冬ぞ寂しさまさりける”

読みは やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば と読みます。 // 歌の意は 山中の里は冬にはその寂しさがいっそう身にしみて感じられることだ。 人も途絶えてしまい、草も木もすっかり枯れ果ててしまうかと思うので。 言葉の…

小倉百人一首 歌二十七番 ”みかの原わきて流るるいづみ川”

読みは みかのはら わきてながるる いずみがわ いつみきとてか こいしかるらん と読みます。 // 歌の意は みかの原を分けるように湧き出て流れるいづみ川ではないが、 いつ見たためか、見ていないのか、どうしてこんなに恋しいのだろう。 言葉の意は ・みか…

小倉百人一首 歌二十六番 ”小倉山峰の紅葉葉心あらば”

読みは おぐらやま みねのもみじば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなん と読みます。 // 歌の意は 小倉山の峰の紅葉よ。 あなたにもし心があるならば、もう一度天皇の行幸があるまで、どうか散らずに待っていてほしい。 言葉の意は ・小倉山 :京都…